王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~


「……出席するのか?」

「なにに、ですか?」

 床にひいたラグに座った綾菜は、ベッドを背もたれに夢見心地でいた。

 気持ちがいいのは、ドライヤーの温かい風なのか、それとも髪を梳く大きな手なのか。

 多分、両方。

「……交流会に、出るのか?」

 ――交流会のきもだめしは男女が組んで行う。

 寮長コンビが知らせてきた、驚愕の内容。

 きもだめしだけでも怖くてごめんなのに、男女が組みになるなんて。

 ダブルの衝撃に気が遠くなりそうになった。

「配慮をしてもらったみたいだし……」

 今年の高等部一年生は、綾菜を除いて全員が中等部からの持ちあがり。

 そこで、本来は抽選で決めるきもだめしパートナーを、綾菜だけは指名してよいことになった。

 寮生による歓迎の意ということらしい。

 きっと、綾菜のために二人が考えてくれたのだと思う。

 そこまでしてもらって、欠席というわけにはいかない。