王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~


「あの、私に用事って?」

 どうにか雰囲気を和らげたくて、綾菜は口を開いた。

「綾菜ちゃん、理佳から交流会の話は聞いた?」

「うん、聞いているよ。とっても楽しみだね」

「内容も聞いている?」

 綾菜は首を振った。

 交流会というくらいだから、ホールで立食パーティーみたいなことをするのだろう。

「なにか、変わったことでもするの?」

「今回は、きもだめしをやる」

 御影がニヤリと笑った。

「き、きもだめし? ダ、ダメ。無理。お化けは嫌い。やめようよ」

 怪談話を聞くことすら嫌なのに、きもだめしなど論外。

 綾菜は蒼白になって反対した。

「ダーメ。その代わり、綾菜ちゃんは特別扱いをしてあげるから」

「特別扱い?」

 スタート地点で待たせてくれるとかかもしれない。それなら大歓迎だ。

「うん。特別に、パートナーを選ばせてあげる」

 女神の美貌で真坂は微笑んだ。