王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~


「理佳ちゃん。久我さんって、孤高なの?」

 正直に疑問をぶつけてみた。

 どうしても綾菜の持つイメージと噛みあわない。

 そういえば、御影たちも同じようなことを言っていた。

「もともと群れるのは好きじゃないらしいけどな……」

 いつも、きっぱりものを言う理佳にしては、すっきりしない言い方だ。

 それだけ久我はミステリアスということか。

「他人と関わらないって聞いたけど、ホント? 理佳ちゃんはどう思う?」

 理佳なら冷静な分析をしてくれるかもしれない。

 綾菜は期待して身を乗りだした。

 瞬間、ぱちんと指で額を弾かれる。

「他人の評価なんて当てにならない。アンタが思う久我が本物でいいだろ? 同室者なんだからさ」

 竹を割ったように男前な発言。

 理佳らしすぎて、うれしくなる。

「うん、そうだね。誰に否定されても、私にとって理佳ちゃんが可愛い乙女なのと一緒だよね」

「それは違うっ!」

 頭頂部に手刀が直撃する。

 照れ屋さんだね、と綾菜が返すと理佳は涙目になっていた。

 ホントに可愛い。