「ほら、やっぱり逆効果。僕、気になる子には優しくしろっていつも言っているよね」
「純也っ。適当なことを言うな。誰が誰を気にしているんだ。こんな気絶女」
気絶女? 気絶女って誰のこと?
綾菜は、考えた。
考えて、生まれてはじめて切れるという経験に臨むことにした。
「私が気絶女なら、アンタは眼鏡男じゃないの! いつもいつも目から光線ビーム出して! すっごく怖いんだから!」
「誰が光線ビームだ。俺はロボットか!」
御影の視線が鋭くなる。
やはり光線が発射されたように思えて、綾菜は反射的に避けた。
「そっくり! ロボット部に飾ってあるのと並んだら、見分けがつかないよ!」
隣で、真坂は大爆笑している。
「純也、笑うな」
御影からみぞおちにエルボーを喰らっても、真坂の笑いは止まることはなかった。
