「私はアンタのために女の子を寄せているわけじゃない」 実際は綾菜のためなのだが。 常に同性に囲まれる理佳が近くにいれば、相対的に男は寄ってこられない。 運営委員の配慮で、綾菜は食堂などの共用施設では理佳と一緒に行動させてもらっていた。 「それでも、私はうれしい」 懲りずに満面の笑みを浮かべると、理佳は勝手にしろとばかりに首を振った。 女同士でべったりなど性に合わないと、腕を組んだり、手を繋いだりはしてもらえないが、そのうち染めようと綾菜は決意している。