「決まりだね。じゃあ、部屋に案内するよ。それと、君の同室者は……」
真坂は寮名簿と思しき冊子をめくりはじめた。
綾菜は急に不安になる。
ここは男女混合寮。
まさかとは思うが、確認せずにはいられない。
「あのぉ……。ルームメートが男のひと、なんてことはありませんよね」
「あるぞ。ここは男女平等だ」
またしても御影の爆弾発言。
「ええっ」
綾菜はフリーズ。
それだけは無理だ。
「ゴメン。琥珀はホントいじめっ子なんだ。安心して。男女同室はほとんどないから」
「ガキでもつくられたら困るからな。相当、信頼のおける組み合わせしか許可しない」
御影の言葉がすぐには理解できず、綾菜は思考の海を漂った。
ガキ……子どものこと? 子どもをつくるって?
「あっ……」
想像して、とたんに顔が赤くなった。
このひとはなんてことを平気で言うのだろう。
「免疫のない子に刺激の強いことを言わないの。綾菜ちゃんが困ってるよ」
「だ、大丈夫です。保健の授業で習いました」
