「オマエは嘘がつけないな。すぐ、顔にでる」
切れ長の黒い瞳に覗かれると、沈黙し続けるのが難しくなる。
促す声が優しくて抵抗ができない。
「ごめんなさい……」
ごまかそうとしたことを謝りながら、綾菜は小さな声で説明した。
図書室で貸出カードを見つけたこと。
戸惑う綾菜に御影が説明してくれたこと。
なにも教えてくれない久我が、綾菜に気を許していないと思い悲しかったこと。
結局、全部話してしまった。
久我の顔を見ていたら、隠しごとなんてできなかった。
「ったく、俺のどこを見たら、オマエに気を許していないなんて思えるんだ? ……こんなに近くにいて、どうしてわからない?」
額と額をこつんとぶつけられた。
心臓の鼓動が跳ねあがる。
端正な顔が間近という状況は、いつまでたっても慣れない。
