「言い方はともかく、僕も琥珀と同意見。綾菜ちゃんは慣れれば何とかなると思うよ」
「何とか、なる?」
「うん。綾菜ちゃん、自分でも男嫌いじゃないって言ったよね。実際、距離をおけばこうして普通に話せるんだし」
綾菜は首を傾げた。
確かに今は平気。けれど、もっと距離を詰められたら自信はない。
近づいても平気になることがあるのだろうか。
「どうしたらいいのかな……」
「足りないのは、やっぱり異性への免疫だと思うよ。男が近くにいるのが自然だと思えるようになれば、大丈夫になるんじゃない?」
「でも、倒れちゃうし」
「だから、運んでやるってさっきから言っているだろ」
声を荒げた御影に、綾菜がびくりと反応する。
低めの声に凄まれた経験など皆無。
怖いと思うなというほうが無理だ。
「ああ、怯えないで。今、翻訳するから。――琥珀はフォローするから頑張って生活しようって言いたかったんだよ」
「フォロー?」
