ほんの少し冷たくされたと感じただけなのに、寂しくてたまらない。
触れたい欲求を抑えられなくなっている。
綾菜は久我にしがみつくように抱きついた。
「時々、オマエが確信犯じゃないかと疑いたくなる」
「私、犯罪を犯したりしません」
胸の中にすっぽり収まった綾菜は頬を膨らませた。
つまみ食いとかは、ちょっとするかもしれないが、犯罪といわれる類に手をだしたことはない。
「無意識なら余計にタチが悪い」
髪を優しく撫でられる。
心地よくて綾菜は目を閉じた。
「ただ、そばにいたいだけです。久我さんを知りたいだけ。ダメですか?」
「どうしてオマエはこんなときだけ素直なんだか……。肝心な時は頼らないくせに」
頼りすぎだから反省しろと言われるならわかるが、真逆のことを言われるとは。
腑に落ちず、綾菜は首を傾げて久我を見あげた。
