「ホントごめーん」
濡れたタオルを御影の頭にあてて、綾菜はひたすら謝った。
御影はむっつり黙って、されるがままになっている。
「本当に平気になったんだな」
御影はようやくポツリと呟いた。
綾菜は先ほどから、何度も御影の頭に触っているが、気絶の発作はおきていない。
「多分。意識を失うなら、あのときにそうなっていたと思うし」
御影の額に手を触れたと自覚しても、綾菜は気を失わなかった。
思いっきり驚いただけ。
「だったら、突きとばすことはないだろう?」
「だから、ごめんって」
さすがに平身低頭するしかない。
突きとばされた御影の背後にあったのは、頑丈な本棚。
おかげさまで、今、御影の頭には素敵なたんこぶが生まれている。
