「綾菜。傷ついたのか? そ、その俺は別にお前を傷つけようとしたわけじゃなくて……。くそっ、なんでうまく言えないんだよ」
御影の顔が急激に赤くなっていく。
ここは空調もいい。室温が高いとかが原因ではないはず。
「顔が赤いけど、どうかしたの?」
綾菜はまじまじと御影を見つめた。
「また、そんな目で……。お前、ちょっと目を逸らせ。しばらく俺を見るな」
「そんなこと言っても、心配だよ。具合でも悪い?」
もしかしたら、体調を崩しているのかもしれない。ちゃんと確かめなくては。
綾菜は立ちあがり、ずずっと御影に顔を近づけた。
「バカ、近づくな。気絶するぞ」
「二十センチまでなら大丈夫だもの。……耳まで赤いね。ホントどうしたんだろう」
熱でもあるのかもしれない。
綾菜は無意識に手を伸ばした。
「熱は、なさそうだね」
御影の額に手をやり、自分のそれと比べる。
特に問題なさそうで、少し安心した。
「綾菜……」
琥珀は抑揚のない声を発した。
顔の紅潮も戻っている。
急にどうしたのだろう。
