「……だいたい、純也に渡された時点で嫌がらせだと疑うべきだろ」
「だって、純也くんは、絶対に久我さんも喜ぶはずだと言っていたし……」
「だってじゃない。あいつは、ひとをからかうのが生きがいみたいなやつだ。いいかげんに学べ」
久我の雷を避けられないと知った綾菜は項垂れた。
叱られるついでだ。この際、聞きたいことは聞いてしまおう。
「じゃあ、久我さんはほかの男の子と違って、このお宝に興味はないんですね?」
裸の女性を観たいという心理は全く理解できないが、宝というくらいだから、男の子は観たいのだろう。
久我にはそういう感性はないのだろうか。
「……別にそうは言っていない」
やはり興味があるのか。
なぜだろう。また胸がツキンと痛む。
言葉が続けられなくなって、綾菜はさらに項垂れた。
