大騒ぎの末、次の試験休みに御影、久我に加え、理佳も一緒の五人で真坂の別荘に行くことが決まった。
「純也にしてやられたのが、癪に障るけどな」
プチバカンスだと小躍りして喜ぶ真坂の前で久我と御影は苦い顔。
勝手に参加を決められ、事後承諾させるために部室に呼ばれた理佳に至っては、暴れだして久我たちを困らせた。
綾菜の必殺上目使いがなければ、作成中のロボットが瓦礫と化したかもしれない。
「なんでしたら久我さんは来なくても大丈夫ですよ。理佳ちゃんが一緒に行ってくれれば、私は平気です」
「俺はいらない、と?」
急な冷気を感じ、綾菜はぶるりと震えた。
久我の周囲にブリザードが見える。
もしや、怒っている?
「えっと、私、まずいことでも言っちゃいましたか?」
真坂命名プチバカンスに久我が気のりしていないのは確実。
一応、気を使って言ってあげたつもりだったのがやぶへびだったのだろうか。
「半崎。もう一度正座しろ。説教だ」
気のせいじゃない。怒っている。
