部屋に戻るなりはじまったお説教がようやく終わった。
単純すぎるだとか、熟慮をしないからだとか、言葉を変えて同じようなことを延々と言われ続けて、もううんざり。
項垂れすぎて首はカチコチに固まっているし、正座していた足はじんじんと痺れている。
「結局、みんなでってことになったじゃないですか……」
「結局とはなんだ。お前が頷いたのが原因だろ? だいたいお前は……」
しまった。せっかく収まった怒りを再燃させてしまった。
地図をひとりで取りに行くのは嫌だとごねる真坂。
綾菜はうかつにも同行の依頼を受けてしまった。
慌てたのは久我と御影。
綾菜を真坂と二人で出かけさせるなど言語道断だと、あれからもめにもめた。
「ホント感謝しています。私は純也くんと二人きりで過ごした経験がないので、実のところ不安だったんです」
「当たり前だ。二人で行くと言いだしたら、部屋に閉じこめていたところだ」
また、苛立たせてしまった。
今日の久我は怒りの沸点が相当低い。
「だから、久我さんも一緒に来てくれると言ってくれてうれしいです」
