「理解が早くて助かる。もう予想はしているだろうが、地下室の地図が紛失したのも同じ時期だ」
「うちのじいさん、欲望に忠実だったからなあ。困った、困った。アハハハハ」
あさっての方向に向かって乾いた笑いをする真坂。
綾菜にはわけがわからない。
「私、状況がつかめないんだけど。琥珀はわかる?」
「だいたいは」
綾菜は上目がちに御影を見つめた。
わかっているなら、早く説明してほしい。
「お前、そういう目で見るのは……。ああ、もう。純也、綾菜が戸惑っている。説明してやれ」
御影は顔を赤くして怒鳴った。
「……うちのじいさん、悪いひとじゃないんだけど、ちょーっと、山師の気があってさ。あっ、ちなみに前理事長のことね」
ため息をつきながらも、真坂はウインクしておどけてみせた。
