友達の話は、性別問わずにしていいと言ってくれたくせに。
御影や真坂の名を出すと、態度が刺々しくなる気がする。
「……子どもをつくったら大変だから、男女の同室は信頼のおけるひとしか許可しないって琥珀は言っていました」
意地悪なのは事実だが、綾菜はいつの間にか、御影を友人としても寮長としても信頼している。
手違いであろうと部屋の変更ができないことは規則。
とはいえ、もし久我を信用していなければ、御影が同室を許可することは決してなかったはずだ。
「御影を信じているってわけか。けれど、わかっているのか? ガキをつくらないで楽しむ方法はいくらでもあるってことを」
「へ?」
意味がよく理解できない。
頭の中で保健体育の教科書を高速でめくってみる。
目的もわからずに辞書をひくようなものだった。答えにはちっともたどりつけない。
「わからないなら、俺が教えてやってもいいけど? ……どうする?」
耳元で響く甘い声。
魔王。魔王が降臨してしまった。
――くる。
