「ところで、綾菜ちゃんはもう決めたの?」
「なにを?」
「やだなぁ。きもだめしのパートナーだよ。決めた相手の前に手を差しだしてもらうことにしたからね」
お願いしますと、手を差しだせということか。
光景を想像すると、やけに恥ずかしい。
いや、照れている場合ではない。
それよりも重大なことが……。
「ちょ、ちょっと待って。もしかして、そのまま握手されたりするんじゃないの?」
「それが、自然な動きだろうな」
平然と御影が答える。
綾菜は頭の中で試行した。
男の子に手を差しだす。
その手が握られる。
結果――。
「気絶しちゃうじゃないのっ」
御影か真坂のどちらかを選ぶにしても、接触はダメだ。間違いなく気絶する。
「緊張で意識を失ったことにする。何も問題はない」
「そうそう。で、目が覚めたらきもだめしをしようね」
長い睫毛でウインクされても、こころは全く動かされない。
人前で気絶しろだなんて、公開スパルタ教育のつもりだろうか。
