「琥珀か純也くんを選べばいいわけだし、出席できると思います。二人は私の事情をよく知っているから」
言った瞬間、心地よかった手がぴたりと止まった。
いつもなら、髪が乾いてもしばらく撫でていてくれるのに。
贅沢な時間に慣れてしまったのか、なんだか物足りない。
「ずいぶんと、仲良くなったんだな」
「琥珀と純也くんのことですか? すっごく仲良しってわけじゃないですけど、面白い二人ですよね」
そう。面白い。
御影と真坂の言動を思いだして、綾菜は笑みを浮かべた。
ちょっと、乱暴で、変わっていて、スリリング。刺激は強いけど、癖になる。
同性の友人は、一緒にいると幸せで、ほんわかする。
異性の友人は、一緒にいると面白いと表現するのがぴったりくる。
