おうじさまのしつけ




ひとまず皆、席に着いて
状況把握ということに。



「この子は伊藤幸子。
僕のいとこだよ♪

今年に入学してきたのかな。
そういや叔母さんが言ってたや」


さわやかに紹介する杉崎の隣で
ぶすっとした顔でうつむく伊藤幸子。


なんだか親戚のくせに
杉崎と対称的だな。


「んで、伊藤幸子。
俺への用件は?」


「さっき言ったでしょ?
このままじゃ私、
退学になるかもしれないのよ。

だから生徒会長、
助けてくれない?」


いや、ぶすっとした顔で言われても
何もキュンとこないのだが。