おうじさまのしつけ


「王子~!
おきゃくさんだよぉ」


ずいずいと入ってきたのは
校長の娘、本名不詳
あだ名は姫。


「姫、幼稚園どうしたんだよ」

「サボり♪」

「行けよ」

「だってあたし王子と
はなれたくないもん♪」

「あのなぁ~」



「なんていうカップル…」


姫に引っ張られてきた女子が
口を開いた。


「いや…カップルじゃないよ」


「でも、姫と王子って呼び合ってじゃないですか!!
こんな可愛らしくて素敵なカップルは珍しい!

さっそく小説のネタに使わせていただきます!!!」

と言って、ポケットからノートとペンを
取り出して何かをかき始める。


「あんた作家なの?」

綾瀬が聞いた。