おうじさまのしつけ



調理し終わったものを皿に盛り付ける。

ご飯は昨日の残りをレンジでチンした。


「ほれ、ご飯と野菜炒め」


「わぁ!いただきまーす!」


箸を慣れない小さな手で口にかきこむ。

俺は二つのコップにお茶を注ぐ。


「うめーだろ、野菜炒め。

簡単だから俺は熟知したんだ。」


「おいひい」


こうやって人に食べてもらうって
意外と嬉しいもんだな。



「そんで、さっきの続きで
キザッたらしいロン毛の男いたじゃん?

あいつは杉崎望(スギサキノゾム)。

いろいろセンス悪いくせに
女からはモテるんだよなぁ。
世の中不公平だ。」


俺は使い慣れた箸で炒めものと
ご飯を同時に口に放りこむ。