「ね、ここにいるから…」 「白井…」 いつも感情の読めない、澄ました彼女の目に、優しさと、情熱がたぎっていた。 それが俺への思いだと、遊びを越えた思いだと、勘違いしてしまいそうになる。 「先生…好き」 「え…?」 「好きなの…あの頃から」 頭が真っ白になった俺に、彼女はゆっくりとキスをした。 突然のことに目を開けたままだった俺には、彼女の長い睫毛が濡れているのが見えた。