「先生…」


かじかんだ手を暖めながら、彼女は目線を俺と合わせようとしない。


俺は手を伸ばし彼女の手を握った。
本当に冷たい手をしていた。

彼女は一瞬驚いたように俺を見つめたが、すぐに手を握り返してきた。


何故だか彼女が今にも泣きだしそうに見えて、すぐに思い切り抱き締めたい衝動に駆られたけれど、俺は繋いだ手を強く握り締めることしかしなかった。