「はい?」 煙草を灰皿に押しつけ、寝室に向かい携帯を取る。 「…あ、先生?」 一瞬鼓動が跳ねた。 「白井」 リビングに再び戻り、煙草に火を点ける。 「今、大丈夫?」 「ああ」 彼女から電話をかけてきたのは、初めてだ。