「…良いけど」 白身魚をフォークとナイフで切り分けながら、俺は短く答えた。 彼女は俺を見つめて小さく微笑むと、ワイングラスに手を伸ばす。 「先生」 彼女は何度会っても、いくら身体を重ねても、絶対に俺を名前で呼ばない。 「今日は何時まで居られるの?」 俺の方を見ずに、そう尋ねる彼女。