彼女も3年前、ここでこうしていた。


涼しい顔でノートを取り、時間になると雑談をすることもなくさっさと荷物を纏めて帰っていった。


あの時、本当に彼女は「そんなこと」を考えていたのか。


目の前で問題を解く、あの頃の彼女と比較すればかなり幼さを残す生徒をぼんやり見つめながら考えた。



そして、彼女のアメリカ行きのことも。

俺は相変わらずここで変わり映えのない毎日を送っているというのに、彼女はどんどん成長し、華々しい世界へ飛び立とうとしている。