「ねぇねぇ。 紗衣ちゃんと芹沢くん、どうしたの? 最近全然しゃべってないじゃん」 “あっつーい”と手で顔を扇ぎ、制服のジャケットを脱ぎながら、 お昼休みの教室で、みるくちゃんが聞いてきた。 「前は、なんだかんだと理由をつけて紗衣ちゃんを呼んでたのに。 それが最近、ぱったりだよね?」 「…っ」 “ちゅぅ”と、ストローをさしたパックのミルクティを飲みながら、 みるくちゃんは、ゆるーい、可愛い笑顔で小首をかしげる。