『お前。いつもそれ食ってんなぁ。』
「んー?」
それゎいつもと変わらない穏やかな日の
下校中のコトだった。
私の横で歩きながら
嫌そうに私と飴を交互に見た彼。
「だってコレ。甘くってスキなんだもん。
文句あるー?」
私はそう言って彼を睨んだ。
高校1年になっても、未だ飴だの何だのと
お菓子ばかりを食べ続けている私、「姫乃」に対し
甘いものがあまり食べられない好みも言葉も辛口な「優真」。
小さい頃からお互いのコトは良く知っていて
家も近所だとまぁこうも毎日一緒に帰る。
『べーつに文句なんてねーけどよ。
毎日食べてっと飽きるだろ。フツー』
「そぉ?全然飽きないよぉ」
『ま。食いすぎて最終的に虫歯になるなよなー。
お前のコトだからどーせなるんだけどよ。』
そう言ってあたしを見て笑った優真。
「もー。甘いの嫌いだからって
そこまで意地悪言わなくたっていいじゃん。」
あたしが頬を膨らませていじけると
優真があたしの頬を突付いて
『悪い悪い、ついねw
そんじゃ、また明日な姫。』
そう言い、笑いながら手を振って
角を曲がっていった優真。
あたしも後ろ姿に手を振りながら
飴を咥えていた...。