旭くんからのメールは、自分を嘲笑うかのようだった。
同い年の女の子にメアドも聞けない。
自分の無力さを指摘されているようで腹立たしかった。
明日、聞こう。
そんなことを考えながら、大輔は携帯を閉じた。

今日は何があっても、メアドを聞かなきゃ。
そんなことを考えながら登録を終えた新しい自転車で学校への道を急ぐ。
旭くんが相手でかなうわけない。
そんなことはわかっていても諦めたくはなかった。
いつでも諦めてきた毎日、高校へ上がると同時に捨ててしまいたかった。
学校へ着いて、自転車をとめる。
教室までの道のりで、新しいマネージャーを見かける。
「あ、佐々木くんおはよう。」
すぐに気付いて挨拶を交わす。
「おはよう。」
自分を覚えてくれていることに驚きながら2人で歩く。
その後ろ姿をちょうど通りかかった旭が見かける。
「あ…。」
旭は何も言うことなくその場を後にした。