そいつを初めてみたのは入部の挨拶んとき。
真っ黒な長くて綺麗な髪を二つに束ねて、たしかに可愛いといえる容姿だった。
挨拶は端的。
「幸崎有希夜です。頑張りますので、よろしくお願いします。」
そういってぺこりと頭をさげてちょっとはにかんだ。
いや、可愛かったか可愛くなかったかときかれると…まぁ、そりゃあれだけど。
んでもやっぱストレスたまってたし多くが話しかけるなか俺はボールと遊んでいた。
その日からそいつは働きはじめたわけだが、まぁ、初日にしては頑張ったんとちゃう?
人員不足でたまりにたまっていた洗濯物を一通りかたずけた。
合間に俺らのタオルやスポドリ渡したりしてたのにもかかわらず。
まぁ、初日やしな。
そんくらい頑張ってもらわんと。
猫かぶってられんのもいまのうちや。
そう思ってチラリと見遣ったあいつの、俺らにまけじと汗をかいて張り付いた長い髪を無造作に払う姿がなぜだか印象的だった。
次の日。
そいつは自慢だったであろう髪をばっさりと切って現れた。
そりゃもうみんな唖然や。
あののんびりとした性格の甲斐堂先輩まであんぐり口をあけていた。
理由をきかれてそいつはあっさりと
「ちょっと、邪魔だなぁと思ったので」
といって笑った。
甲斐堂先輩と同じくらい…ぬけたところがあるやつなんか?
俺は幸崎というやつに少し興味がでた。
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