「卑怯ですね、今のは。」
ははは、と笑う幸崎。
「ハリセンボンは取り消しで!」
「お、もう家なんで、このへんでおろして下さい!」
ゆったりと腕がとかれる。
「誰がおろすか」
つかまっとり。
俺は自転車をこぐスピードをあげてコイツの家の前を通り過ぎた。
「え?!ちょ!」
「俺は嘘は、つかへんよ。」
「ぇ……それってどういう…」
ちらりと後ろを振り返って笑うと、耳まで真っ赤にした幸崎が
「危ないので前を向いて下さい////」
といってまた俺に腕をまわして背中に顔を埋めた。
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