夢見屋



リアルの台詞に胸がぎゅっと詰まって。

――…らしくない。


「…ありがとうな」


「どういたしましてなのです!」


やはり、リアルの笑顔は子どもらしくて。


あたたかい。



「良汰さまー、リアルー!珈琲入りましたよ」


無意識に伸ばした手でリアルの頭を撫でていると、アランの呼ぶ声。


「今行く」


そう声をかけて、ゆっくりとアラン達の元へと歩いた。


カウンターに座っているマムはまた何かアランと言い合っていて。


「アラン!何だこれ!」

「ジョーダン特製、ミルクたっぷり珈琲……珈琲抜きですよ?」

「ただのミルクだろぉおおお!」


騒ぐマムを見てクスクス笑うアラン。

なんか…、新しい。

今まで見てきたアランの笑顔の、どれとも違う、…アランの笑い。


これもマムにしか出せなくて、そう考えるとやっぱり特別なんだなって、

思った。