優しく微笑むアランは、他の世界ではどのように笑っているのだろう。


「アランも……リアルもたくさんいるのか?」


ただ、今は悲しく笑ってる。


「僕達、夢見屋は存在そのものが違うんです。だから世界を行き来できて、歳をとらないんですよ」


嗚呼、そんな風に笑って欲しいわけじゃないんだ。


まるで、何も変わらないかのように。

何も感じていないように。

そんな笑顔をさせたいわけじゃなくて。


けれどそれが唯の俺の我儘だと。

そんなことは、分かっているんだ。俺には何も出来ないことも。


「……さあ、遅くなりましたけど珈琲でも淹れてきますよ。マムはブラックで良いんでしたっけ?」


「おまっ…、この腹黒!!…俺がミルクないと飲めないの知ってるだろっ!」


「ああ、そうでしたね。ではたっぷり入れてきますよ…寧ろミルクだけでも」


「良くねぇよっ!」


再びマムとぎゃあぎゃあ騒ぎ出した。

仲いいんだな……。


それをぼんやり眺めていると、トコトコと近付く影。

「良汰さま!」


「リアル?」


言い合いをしながら奥へ行ってしまったアランとマム。

それと入れ替わるように近付いてきたのはリアルだった。