混乱気味の俺にアランは至極丁寧に説明してくれた。



「えっと、良汰さまは“パラレルワールド”ってご存知ですか?」


「…こことは違う現実が存在しているってやつか?」

けど、そんなのは空想なんじゃ…。


「そうです。平行世界とも呼ばれますが、パラレルワールドとは無数に存在している別の現実世界」


「…平行世界……」


「そこにいるのは自分であって自分ではありません。

例えば、マムが仕事をしている世界にも良汰さまは存在していますが、夢見屋の存在を知らずに過ごしています。

他の世界では第三次世界大戦が勃発しているかもしれないし、世界が一つの国になっているかもしれません。

選択肢の数だけ世界は存在し、世界の数だけ良汰さまが存在します」



嘘のような、本当の話。



パラレルワールド

名前は聞いたことあったけど、まさか本当に存在して、更にはそこにも夢見屋があるって…。


「…何でもアリだな、この世の中」


世界って意外とそういうものなのかもしれない。