司も同じ気持ちなのか、拳を握って俯いている。
でも次の瞬間、司はこの場に不釣り合いなほど笑顔を作って言った。
「しょうが、ねぇよな!莢が起きないのは誰のせいでもないし!!」
「強い、な……」
「ん?何て言ったんだ?」
「そうだなって言ったんだよ」
司は強い。
あの言葉に何が隠れているのか、俺にはわかった。
司なりの気遣い。
わかっている。司はあんなんでも、優しいから。でもな、
莢が起きないのは、俺の責任だから――……
ごめんな。
わかってるんだ……自分ばっかり責めるなんて単なるエゴでしかないことくらい。
それでも、この気持ちをぶつけていいところなんて、自分しかないだろ?
だから俺は、俺を責め続ける。
そうしないと、壊れそうで怖いんだよ……。
心に溜まる消えない傷は、いつか心を引き裂きそうで──…


