「莢、ごめんな……」


何もしてやれなくて。何もできなくて。


「本当……ごめん」


そっと莢の頬を撫でながら、そう呟く。



ピクリ


「え──」


今……莢の指が、


「莢の指が動いた……?」


「つ、司……!」


「良汰、今、動いた……よな?」


「ああ!!」


「な、ナースコールっ!」

直ぐ様ナースコールを押して、莢をみてもらった。確かに、確かに莢の指は動いたんだ。