「じゃあとりあえず夢見せてくんない?」


「いいですが……代償が必要ですよ?」


「代償?」


「はい。夢を1つ見る毎に貴方の好きなモノをいただきます」


…………。

「は?」


「正しくは貴方は好きなモノを1つ嫌いになります」

俺が好きなモノを嫌いになる…?

ここの珈琲…とか?


「どうなさいますか?」


「夢ってさ、……俺が本当に見たい物なんだよね?」


「もちろんです!そうでなければ代償など頂けません!」


「そっか……ちょっと考えてもいい?」


「はい。しばらくはここにいますので、またどうぞ」

最後にとびきりの笑顔を見て俺は店を出た。