こいつは瀬戸 司(セト ツカサ)。小さい頃から隣にいる、腐りも腐りきった縁で繋がっている奴だ。


「いつ見ても感心するわ、お前の演技」


「ほっとけ。お前だって似たようなもんだろ」


そう。何故かこいつも猫かぶり。俺ほどじゃないけどこいつの本性も中々。

……まぁ、司となんだかんだ言ってずっと一緒にいるのは楽だからなんだろうな。



「あっ、そうだ。良汰、今日も行くのか?」


「ああ。今日は少しのつもりだけど」


司にも夢見屋のことはまだ言ってない。
今の話はまた違う所だ。



「あー…俺、サボるわ」


「またかよ。お前の出席日数ヤバいって言ってたぞ?」


「まじで?…まぁいいや。屋上行く」


そう言って俺は屋上に向かって歩き出す。
出席日数のことは……今は考えない。多分どうにでもなるし。


「あ、待てよ。俺も行くっ」

「お前が来ると寝れねぇじゃん」

「そう言うなって!」


俺たちはサボるっていうのに、変に騒ぎながら屋上に向かった。