森の奥は、広場のようにキレイになっていた。
その真ん中に佐伯原さんと、黒い男がいた。
佐伯原さんは、必死に男の胸ぐらを掴み揺らしている。
だが相手の男は、面倒だとでも言うように、
口を開いた。
「契約は打ちきりだ。そう何度もいわせるな。もうちょっと頭のいい男だと思っていたが……」
低い声だった。
それなのに、寒気がする。
「契約は、俺が死ぬまでだったはず。なのになぜ?」
「なぜ?笑わせるな。使えないからだよ。佐伯原高彦」
「!!!」
「俺が知らないとでも思っていたか?あいにく
全部わかってる。お前の使命を忘れたか?使えない男を使おうとするほど俺も馬鹿では、ない。」
