魔王様の好きな人




「待ちなさいよ」



私の怒りはピークだった。


相手が佐伯原さんなのに、私は怒鳴った。



「自分一人で逃げてるんじゃないわよ。私は貴方を助ける為に飛び込んで行ったのよ。そのせいて知らない男に抱きしめられるわ、私のファーストキスとられるわで大変だったのに。あんたばっかり隙みて逃げてるんじゃないわよ。」



一気に言ってまた息があがった。