全部全部,悪い夢としか思えない。
というより,悪い夢であってほしかった。
朝になって目を覚まして幸基に言うんだ。
「昨日の夢,幸基のお葬式だったの」
って。
幸基はきっと,
「そんな縁起悪いこと言うな」
って怒るだろう。
でも―それこそ夢の話だっていうのは,心のどこかでちゃんとわかってた。
幸基の棺を囲んで号泣するクラスメートたちを,虚ろな目に映す。
男も女も関係なく,みんな溢れ出す感情のままに涙を流していた。
景色が,モノクロだ。
初めて知った。
幸基がいたから,あたしの世界に色があったってことを。
あの電話から4日後。
幸基の葬式が,悲しみの中で行われていた。
あたしは1人,誰とも悲しみを共有せずに幸基の遺影を見つめる。
写真の幸基は,あんなにも…あんなにも,笑っているのに。
幸基―
空気読んでよ。
今笑ってるの,あんただけだよ?
心の中で話しかけるけど,幸基はその笑顔を崩すことはなかった。
というより,悪い夢であってほしかった。
朝になって目を覚まして幸基に言うんだ。
「昨日の夢,幸基のお葬式だったの」
って。
幸基はきっと,
「そんな縁起悪いこと言うな」
って怒るだろう。
でも―それこそ夢の話だっていうのは,心のどこかでちゃんとわかってた。
幸基の棺を囲んで号泣するクラスメートたちを,虚ろな目に映す。
男も女も関係なく,みんな溢れ出す感情のままに涙を流していた。
景色が,モノクロだ。
初めて知った。
幸基がいたから,あたしの世界に色があったってことを。
あの電話から4日後。
幸基の葬式が,悲しみの中で行われていた。
あたしは1人,誰とも悲しみを共有せずに幸基の遺影を見つめる。
写真の幸基は,あんなにも…あんなにも,笑っているのに。
幸基―
空気読んでよ。
今笑ってるの,あんただけだよ?
心の中で話しかけるけど,幸基はその笑顔を崩すことはなかった。

