だけどリンは間違ってない。


僕はリンの兄じゃないし、彼はとっくに死んでいる。


実際には僕が彼を殺したわけじゃないんだけど、今まで曖昧な態度を取っていたことには変わりない。


確かに彼が消えたのは、僕のせいかもしれない。



「にぃにをどこにやったの?にぃにを返してよ!」


「リン、ハサミは逆手に持つものじゃないよ。その穴は指を通す穴で、」


「うるさい!!」


逆手に持たれたハサミが、僕に向かって振り下ろされる。


危機一髪逃れたけど、リンの興奮は収まらない。