五里霧中



しかしナイフはスッと脇腹を抜け、ヤツの包丁が俺の腕に食らいついた。


猟奇的な笑い声がうす暗い雑木林に響き渡る。


「っ!」


「アハハハハッ!!やだぁ、腕が真っ赤になっちゃったぁ。アハハハッ」


だが迷っている暇はない。


再度ナイフを持ち直し、奴に飛びかかる。


「アハハハハハッ、だぁから無駄だよぉ。お人形さんはね……」


そう言いながら、女の腕がぬっと伸びてくる。


「黙って笑ってればいいの」





「っぁあああぁああ」