五里霧中




――――――――――――――


何なんだ、コイツ。


カイルを背後に隠し、そいつに対峙する。


大きな和包丁を構えたソイツは、まるで化け物のように顔を歪めている。



「ふふふ、動かないでよぉ。じゃないと二人とも、痛い思いをしながら死ななくちゃいけないんだからぁ」


「!」


ソイツが地面を蹴り、一瞬で距離が詰まる。


カイルを草陰へ突き飛ばした俺は、奴の攻撃を落ちていた棒で受け止めた。