そうじゃないと、自分の中身が零れ落ちてしまいそうで。 堅く何重にも被った嘘の皮がはがれてしまいそうで。 ニセモノの愛情、ニセモノの家族。 そんなものが大切に思えてならない。 僕はまだ失いたくないんだ。 ここが居心地良くなってしまったから。 ぬるま湯のようにひどく曖昧でどっちつかずな居場所に、愛着が沸いてしまったから。 だからそれ以上僕に、優しくしないでくれよ……