「にぃに」 「ん?どうしたの」 袖を引っ張られ視線を向けると、リンはあんず飴の屋台を指さした。 「あれ、食べたい」 「じゃあ買ってくるから、ここにいて」 近くにあった狛犬の台座にリンを座らせ、屋台に足を向ける。 さっきからリン以外の姿が見えない。 焼きそばを買った時には一緒にいたんだけど…… お金を払いながら、一抹の不安を胸に抱く。