時間は少し遡る―――。 時刻は早朝、午前3時。 いくら田舎の人は早起きとはいえ、こんな時間に起きている人間はそうそういない。 僕も例にもれず、布団の中で暢気に寝息を立てていた。 ゴソゴソッ その時、不意に何かが忍び寄る気配を察知できるはずがない僕は、その影に背後を取られ――― 「!」 「キミ!クロは発見してしまった」 気がつくとその小柄な影―――クロが堂々と僕の腹に座っていた。