そんな折に…片桐部長に呼び出された。


 場所は第一会議室。


 イタリアの化粧品メーカー『ティ・アーモ』社とのコラボ商品開発のプロジェ
クトチームのマーケティング担当に私が抜擢された。


 「上から…副社長からの命令だ…小田切君は大学時代イタリア語専攻してた
んだろ??」


 「それは唯の日常会話レベルで…ビジネスとして役立つかどうか…」


 「イタリアに行くのは来年の4月だ。それまでにアフターはみっちりとイタリ
ア語学んでくれ」


 片桐部長は私に語学学校のパンフを渡す。