二人は私たちとは逆方向に歩いていった。


 「あっちはラブホだよ!?」


 結城が慌てふためいた。


 私は皆岸と澪生の背中を見つめる。


 ネオンで蜃気楼のように二人の影が揺らめいて見えた。


 皆岸にも幸せになって貰いたいけど…



 相手が澪生だから……


 素直にはエールを送れなかった。