キミをわすれない


「よく、幽霊はこの世に未練があるから留まるっていうよね?」



「…みれん?」



「吉澤さん、なんか思い当たることある?」



「え…そんなこといわれても…」



そうだよな、急にそんなこといわれたって。

俺がこの世に留まらせたかもしれないっていうのに。


「ごめん、急に。」



「未練だらけだよ。ありすぎてあっちにいけるかどうか。」



吉澤さんはいつもと同じ笑い方で、俺に言った。